試料研磨機の排水を産業廃棄物として処分するといくらかかる?|費用の考え方と年間コストの出し方

執筆者:

カテゴリ:

公開日:2026年8月20日

研磨排水を産業廃棄物として処分する費用は、「量 × 単価」だけで決まるわけではありません。処分する量に加えて、排水に何が含まれているか、どのような状態で排出されるか、処理業者の料金体系などによっても変わります。これまで当社がお客様から伺った範囲では、20Lあたり1,500~2,000円程度のケースから、3,000~4,000円程度になるケースまであります。同じ試料研磨機の排水でも、費用にはかなり幅があります。この記事では、研磨排水の処分費に幅がある理由と、自分の現場の年間費用を出す手順をお伝えします。金額を当てにいく記事ではありません。自分の現場の数字を出すための記事です。

費用は「量 × 単価」だけでは決まりません

産業廃棄物の費用は、大きく2つに分かれます。処分そのものにかかる処分費と、引き取りに来てもらう収集運搬費です。請求書では分かれていることも、ひとまとめになっていることもあります。まず自社の請求書がどちらの形式かを見ておくと、あとの計算が楽になります。

そのうえで、単価です。

これまで当社がお客様から伺った範囲では、20Lあたり1,500~2,000円程度のケースから、3,000~4,000円程度になるケースまであります。

1Lあたりにすると、約75~100円と150~200円です。同じ「試料研磨機の排水」でありながら、費用に大きな差があります。

ただし、これはあくまで当社が実際に聞いた事例の範囲です。地域や業者、排水の中身、処理方法などによって費用は変わりますので、相場としてではなく、こういう幅があるという参考として見てください。

中身が混ざっているほうが高くなる場合があります

産業廃棄物の料金は、排水に何が含まれているかによって変わる場合があります。産廃の料金表を見ると、単価は品目ごとに分かれているのが一般的です。何であるかがはっきりしているものほど処理の道筋が決まり、さまざまなものが混ざっているものほど処理に手間がかかる場合があります。

試料研磨の排水は、もともとさまざまなものが混ざりやすい性質を持っています。工程ごとに研磨紙の番手が変わり、途中でスラリーが入り、材料も日によって違います。ひとつのタンクに、金属スラッジ、削られた樹脂の粉、SiCやアルミナの砥粒、スラリー、潤滑剤などが順番に流れ込んでいきます。

そのため、排水の中身や処理方法によっては、単価が高くなる場合があります。

ただし、ここで重要なのは、「混ざっているから必ず高い」とは言い切れないことです。実際の処分費は、地域や処理業者、契約内容などによっても変わります。

費用を下げようとするなら、単価だけを見るのではなく、産業廃棄物として出している量と、その中に含まれる固形分を減らせないかを見ることも重要です。

自分の現場の年間費用を出す手順

他社の数字を見ても、自分の費用は分かりません。4ステップで自分の数字を出してください。10分あれば終わります。

  1. 請求書を1枚出す。処分費と収集運搬費が分かれているか、ひとまとめかを確認します。分かれていない場合は、業者に内訳を聞けば確認できます。
  2. 1回に出している量を確認する。容器の大きさと本数です。20Lのポリ容器で何本、という数え方で構いません。
  3. 年間の回数を数える。月1回なら12回、2か月に1回なら6回です。
  4. 掛ける。「1回の金額 × 年間の回数」が、いま研磨排水にかかっている年間費用です。

ここに、容器の購入費と、保管場所を空けておくコスト、業者を待って立ち会う時間まで足すと、実態に近い数字になります。人件費を入れると印象がかなり変わることがあります。

ろ過で変わるのは「量」だけではありません

ここは正直に整理しておきます。

ろ過をしても、産廃の単価が必ず下がるわけではありません。単価を決めるのは排水の中身や処理方法、業者の料金体系などで、ろ過だけで決まるものではないからです。

一方で、ろ過によって変わるのは、産業廃棄物として出す量だけではありません。

試料研磨の排水には、金属スラッジ、削られた樹脂の粉、SiCやアルミナの砥粒、スラリーなど、さまざまな固形分が混ざっています。ろ過すると、こうした固形分の一部がフィルター側に集まり、排水中に残る固形分が減ります。

つまり、ろ過によって産業廃棄物として処理する排水の量と、その中に含まれる固形分の種類・量を減らせる可能性があります。すべての固形分を取り切れなくても、主要なスラッジ類を分離することで、処分する排水の性状が変わり、処分費が下がる可能性があります。

ただし、ろ過したから必ず処分費が下がる、という意味ではありません。処分業者がどのような料金体系で処理しているか、ろ過後の排水をどのように扱えるかによって結果は変わります。

ろ過をすると、固形分は消えるわけではありません。フィルターの中に集まります。そのため、産廃として出すものが「排水そのもの」から「使用済みフィルター」に変わる可能性があります。かさで考えると、20Lの容器何本分もの排水をそのまま処分する状態から、固形分をフィルター側に集めた状態へ変わります。

一方、ろ過後の水をどうするかは、また別の判断です。流せるかどうかは排水の性状と各自治体の基準によります。ここは当社が保証できる部分ではないので、先に確認していただく必要があります。

当社の装置の場合、交換フィルターは1本2.5万円です。導入先では4~6か月ごとの交換という実績があります。ただしこれは排水の量と濃さで変わるので、そのまま当てはまるとは限りません。本体は40万円です。

差が出るかどうかを見るためにも、まずはいま年間何Lの排水を産廃として出しているかを確認してください。年間の量が小さい現場では、FILTEXを導入しても費用面で大きな差が出ないこともあります。

ろ過なし 排水を固形分ごと産廃として出す 20Lあたり 1,500~4,000円 ろ過あり 使用済みフィルター 固形分はここに集まる ろ過後の水 流せるかどうかは 各自治体の基準による
ろ過なし 排水を固形分ごと産廃として出す 20Lあたり 1,500~4,000円 ろ過あり 使用済みフィルター 固形分はここに集まる ろ過後の水 流せるかどうかは 各自治体の基準による

図:ろ過によって、産業廃棄物として処理する排水の量と、排水中に含まれる固形分を減らせる可能性があります。ろ過後の水を流せるかどうかは、別に確認が必要です。

計算する前に知っておいてほしいこと

この記事に書いた金額を、そのまま自分の現場に当てはめないでください。理由が3つあります。

  • 単価は地域と業者で違います。同じ内容の排水でも、頼む先が変われば金額が変わります。
  • 排水の中身や処理方法によっても変わります。扱う材料や混ざっているものによって、処理方法や料金が変わる場合があります。
  • ろ過後の水をどう扱えるかは、自治体によって違います。ここが決まらないと、産廃として出す量がどれだけ減るかも決まりません。

ですので当社からは「これだけ安くなります」とは申し上げられません。お出しできるのは、判断に使える材料と、自分の数字を出す手順までです。そこから先は、実際の排水と、実際の請求書で確かめてください。

本記事で除去の対象としているのはSS(浮遊物質)です。水に溶けている成分やpHは変わりません。排水を放流できるかどうかは、排水の性状と各自治体の基準によって判断されます。

年間の量を数えてみて、減らせそうだと思われた場合は、実際の排水でろ過を試すところからです。無料でろ過テストを承っています。

ろ過テストのお申し込み >

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA